化粧品開発者のかこです。
実はここ数年、新卒採用の面接官も務めています。
学生さんからお話を伺う中で
こうすればもっとよくなるのにと思うポイントは毎回同じなので
今回は番外編的な感じで、「損してる」学生さんの共通点をまとめました。
あくまで当社の面接での話ですが、できていない人のほうが多く、しっかり対策できれば他の人と差がつくポイントをまとめていますので、
この記事が就活で悩んでいる学生さんの助けになれば幸いです!
前提
まず、この記事の前提を書いておきます。
・中小規模の化粧品メーカーの例です
・人事担当ではない一般社員の見解です
・新卒の理系技術職の一次面接(オンライン)を担当しています
・資格やスキルは重視していません
・大手に受かるコツ、最終面接で受かるコツではありません
面接官の心理
面接官も人間です。
これをふまえて【内容以外の部分】で押さえたいポイントを3つ挙げました。
文字だらけのESは読むのがしんどい
事前にエントリーシート(ES)を読みますが、ひとりひとり詳細に読み込む時間がないこともあります。
最近いいなと思ったのは、最初に【】で短い見出しをつけているES。
時間がなくてもそこだけ読めば大まかな内容はわかりますし、仕事ができそうな雰囲気をかもし出せます。
ぎっしり詰まった文章を読むのがしんどいのは面接官も例外ではありませんので、
適度に箇条書きを使うのもおすすめです。
第一印象は大事
面接官も人間です。
怖い人が来るより、話しやすい人が来るほうが嬉しいです。
正直なところ、明るくハキハキ喋る、他の人が話しているときは聞いているアピールをするだけでもそれなりに良さそうに見えます。
短時間で伝える努力をしよう
面接官も人間です。
私の場合は緊張もしますし、複数人同時に面接することも多いのでいっぱいいっぱいです。
なるべくいいところを引き出そうと質問していますが、時間が限られていますし、
そこまで学生さんに歩み寄らない面接官もいます。
学生さん側は短時間で自分の良さを伝える努力をするのが得策です。
どうすれば良さが伝わるのかは、この後を読み進めてください。
「損してる」人の4つの共通点
あえて「損してる」という言葉を使ったのは、「いい経験をしているのに、十分にアピールできていない」という意味です。
「損してる」と感じる学生さんの共通点は以下の4つです。
相手のレベルに合わせた説明になっていない
これは研究内容や、ちょっと珍しい学内外の活動を説明するときの話です。
面接官の知識レベルによって、理解のしやすさは変わります。
研究開発系の人になら専門用語でも伝わりますが、人事の人には伝わらないかもしれません。
伝わっているか不安であれば「あまりなじみのない内容だと思うのですが…伝わっていますでしょうか」などと直接確認するのも手です。
(たぶんこうだろう、で仕事をするのは失敗のもとなので、当事者に直接訪ねるのが確実です)
説明が淡々としすぎて何をしているかイメージできない
2つめの共通点は、説明が淡々としすぎて、具体的なエピソードがないのでイメージが湧かないことです。
例えば、
希望の研究室に入るために、良い成績を修める必要があった。
サークル活動やアルバイトでなかなか時間を取るのが難しかったが、限られた時間の中で工夫して、学部内で●位の成績となり、希望の研究室に入ることができた。
という内容だと、頑張ったのはわかりますがありきたりな感じもしますし、どう頑張ったのかいまいち想像できません。
映像としてイメージできる状態まで解像度が上がらないと、「よくわからなかったな」と消化不良な印象になります。
個人的な感覚ですが、手の中を砂がこぼれ落ちるように、さらさらと流れていって残らない感じです。
相手にイメージさせるために有効なのは、アピールポイントを象徴する具体的なエピソードを入れることです。
先ほどの例だと、
サークルの試合前の追い込み練習と成績に関わる小テストが重なって60点という結果に。これではいけないと反省し、サークルの練習後に1時間勉強してから帰宅することを習慣にした。
のようなエピソードをつけるとイメージしやすくなります。
「映像(絵)を見せるように話せ」というのは複数の話し方の本に書いてあるので、私の感覚はあながち間違っていないと思います。
課題に直面した時の思考・周囲との関わり方が見えない
当社では研究内容や実績はそこまで重視しないこともあり、
私はその人の考え方、課題をどう解決するか、特に課題解決における周囲との関わり方を知りたいと思っています。
会社では一人で完結しない仕事も多くありますし、仕事は課題解決の連続とも言えるからです。
ところが、研究内容やいわゆるガクチカについて喋っていただくと、自分しか話の中に登場しない方が案外います。
「こういう課題があって、粘り強く取り組んでこういう成果が出ました。」という他人が登場しない説明だと、周囲とどう関わったのかがわかりません。
研究にしても、サークル活動にしても、アルバイトにしても、何かしら周囲の人と協力して物事を進めているはずなので、
質問すれば答えてもらえるのですが、時間がなくて聞けなかったら「よくわからなかったな」で終わってしまいます。
なので、面接で聞かれそうな項目のどれか一つには周囲の人と協働して課題を解決した例を入れることをおすすめします。
課題の解決策が力技
課題の解決方法として、
データ取りのために実験量を2倍にしました
であったり、
練習量を増やしました
といった話もよく聞きます。
熱意は評価できないこともないのですが、それは大学生だからできることであって、社会人としては筋が良くありません。
若い時にがむしゃらにやった経験も人生の財産ですが、リソースには限りがありますし
自分が社長だったら効率を考えずに残業して解決すればいいやと思う人より
効率アップして早く帰る人の方が嬉しいですよね。
力技のエピソードを話す場合は、効率も気にしていることが添えられるといいですね。
質疑応答
面接の最後に学生側から企業への質問をする時間がありますね。
これを合否の決め手にしたことはありませんが、
当社で働くことをリアルに想像していると思わされる質問は好感が持てます。
また、「入社までに勉強していたほうがいいことはあるか?」というご質問をときどき受けますが、業務上必要なことは入社後に学びますので
個人的には学生のときにしかできないことを十分楽しんだらいいのではと思います。
ちなみに化粧品メーカーの研究職の場合、
化粧品検定1級の取得は、熱意のアピールにはなりますが実務上のメリットはそこまでないと考えています。
入社後に聞く話は多少スムーズに頭に入るかもしれませんが、1年後には埋まっている程度の差です。
リクナビマイナビだけでなくエージェントも使おう
就活といえばリクナビ、マイナビのサイトで求人情報を検索している方が多いと思いますが、
「エージェント」も並行して活用することをおすすめします。
エージェントに登録すると担当者がついて求人情報の紹介、履歴書やESの添削、面接日程の調整などをしてくれます。利用料は無料です。
リクナビ、マイナビは中小規模の企業側から見ると、掲載に費用がかかる一方で入社人数が希望に満たないリスクもあります。
そのリスクをカバーするのが、成果報酬型で、入社した人数に対して費用が発生する「エージェント」のサービスです。
このような理由から、リクナビ、マイナビには出ていない求人情報がエージェントで見つかることも多々あるため、
大手にはこだわらず、幅広く探したい方に特におすすめです。
私もリクルートエージェント経由で今の会社に入りました。
まだ登録していない方は、ひとまずリクナビとマイナビのエージェントに登録してみてください。
就活は「大人の対応」が試される
正直すぎる人、話を盛るのが苦手な人には就活はけっこうしんどいのではないでしょうか?
私がまさにそのタイプで、同業者なら会社ホームページに同じようなことが書いてあるし、その会社でないとダメな理由なんてある?と当時思っていました。
今になって思うのは、そんなことは採用する側もわかっているんですね。
就活はその上でいかにそれっぽく振る舞えるかという「大人の対応」、言ってしまえば「大人のズルさ」が試されるゲームだと思ったほうが気が楽です。
学生時代、たまたまグループ面接で一緒になった研究室の同期が、
絶対にしていないのに「毎朝ランニングしています」と言ったときはたまげましたが、
それぐらい話を盛る図太さがあれば私の就活はもっと早く終わっていたかもしれません。
このタイプの方は、心からいいと思える商品・サービスでないと売るのが辛くなると思うので、
扱っている商品・サービスが好きになれそうな会社を選ぶことをおすすめします。
まとめ
【内容以外の部分】で押さえたい3つのポイント
「損してる」人の4つの共通点
今回紹介した内容は、今でこそ社会人として客観的に見ることができますが、就活をしていた当時の私が理解していなかったことばかりです。
なので、当時の自分に言いたいことでもあります。
縁あってこの記事を読んでいただいた学生さんには少しでも有利に就活を進めてもらえたら嬉しいです。
もしご質問などあればお気軽にコメントやX(Twitter)へお問合せください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント