こんにちは。長年の頭皮のかゆみを解決するべく画策している化粧品開発者のかこです。
- 頭皮のかゆみやフケが気になるけど、どうしていいかわからない
- 頭皮のことを考えてヘアケアを選びたい
- 家で手軽に頭皮ケアがしたい
という方に向けて、「頭皮常在菌(スカルプフローラ)に着目したヘアケア製品」をご紹介します。
頭皮常在菌は頭皮、ひいては髪の状態に密接に関与していて、2000年代に入って急速に研究が進んできた分野です。
詳しくは 【化粧品開発者が徹底解説】95%が知らない頭皮常在菌の世界 の記事をご覧ください。
頭皮の状態がいいときと悪い時で存在する菌の比率が異なることがわかっており、
正常なバランスに近づけて頭皮環境を整える製品が少しずつ増えています。
「全体のバランスを整えるもの」と「特定の菌に着目したもの」に分けてご紹介します。
全体のバランスを整える製品
まず「全体のバランスを整えるもの」からご紹介します。
KINS シャンプー
KINSはその名のとおり、「菌」に着目したブランドです。
シャンプーは頭皮に優しい洗浄成分を使用し、潤いを与えるコンセプトでつくられています。
注目の成分:乳酸桿菌/豆乳発酵液
乳酸桿菌/豆乳発酵液は豆乳を乳酸菌が分解して生み出された成分です。
アミノ酸などを含み、保湿効果があるだけでなく、常在菌のエサとなってバランスを整えることが期待されます。
ロクシタン ファイブハーブス バランシングシャンプー
機能性よりも香りや見た目がおしゃれな印象が強いロクシタンですが、
頭皮常在菌に着目したシャンプーがあります。
注目の成分:α-グルカンオリゴサッカリド
α-グルカンオリゴサッカリドは糖の一種で、皮膚上の常在菌バランスを整える効果が期待される成分です。
いっぽうで、気になるニュースが。
2024年4月、ロクシタンのヘアケアシリーズが刷新されることが発表されました。
もしかすると近日中にリニューアルがあるかもしれません。
マイナチュレ スカルプフローラブースター
2023年、マイナチュレから「スカルプフローラブースター」が発売されました。
注目の成分:酵母発酵エキス
常在菌バランス正常化のメイン成分はBASF社の酵母発酵エキスです。
この成分は水に溶ける「糖」と水に溶けない「脂質」が組み合わさったもので、界面活性能をもちます。
したがってシャンプー後に塗って洗い流すという特徴的な使用方法となっています。
コリネバクテリウムに着目
コリネバクテリウムは誰にでもいる菌で、頭皮の常在菌の中でも高い割合を占めますが
ミルボンさんの研究で頭皮の炎症とコリネバクテリウムの比率が関係していることが示唆されています。
そこでミルボンさんはコリネバクテリウムを抑制する成分の探索を行い、シソ科の植物エキスを見出しました。
この成果はオージュア グロウシブシリーズとクロナ スパークリングエッセンスに応用されています。
オージュア グロウシブシリーズ
注目の成分:4-BBエキス(シソエキス-1、ローズマリーエキス、メリッサエキス、セイヨウハッカエキス)
クロナ スパークリングエッセンス
注目の成分:エゴマ葉エキス
ミルボン製品はサロン専売品です。
ミルボンidの取り扱いのある美容室で登録すれば、その後はオンラインで購入できるようになります。
エンテロコッカスに着目
こちらもミルボンさんの研究で、エンテロコッカスという乳酸菌の一種がいると、頭皮の老化が進み、髪のうねりや白髪、抜け毛につながることが明らかにされています
ミルボンさんではエンテロコッカスを抑制する成分の探索を行い、グリシン(アミノ酸の一種)とフィチン酸を見出しました。
その成果を反映したのがオージュア フォルティスシリーズです。
オージュア フォルティスシリーズ
注目の成分:BT-クリア・エレメンツ(グリシン、フィチン酸)
こちらもサロン専売品となります。
マラセチアに着目
上記で紹介したコリネバクテリウムやエンテロコッカスへのアプローチに比べて、
早くから市場にあったのが真菌「マラセチア」に着目した製品です。
マラセチアは脂漏性皮膚炎やフケ症への関与が指摘されており、
ピロクトンオラミン、ミコナゾール硝酸塩、ジンクピリチオンといった抗真菌成分がフケ・かゆみを防ぐ目的で配合されます。
このような抗真菌成分を配合した製品はたくさんあるので、
ドラッグストアなどで入手しやすいものを中心にご紹介します。
オクト
オクトは取扱い店舗が多く、お手頃なのが嬉しい製品です。
注目の成分:ピロクトンオラミン
医薬部外品であり、有効成分のピロクトンオラミンがマラセチアの増殖を抑えます。
私も使っていたことがあり、
シャンプー後はきしみますが、リンスを使うとスッとなめらかな手触りになるので、シャンプーとリンスをセットで使うのがおすすめです。
コラージュフルフル
コラージュフルフル ネクストシリーズは日本で初めてミコナゾール硝酸塩を配合したシャンプー、リンスです。
注目の成分:ミコナゾール硝酸塩
医薬部外品で、シャンプーにはピロクトンオラミンも配合されています。
h&s
h&sシリーズといえば「ヘッドスパ」のフレーズとともに日本に上陸したのが印象深いですが、
古くは1948年からP&Gにて研究が進められていました。
現在は日本でも複数のラインナップがあり、それらに共通して「ジンクピリチオン」が配合されています。
注目の成分:ジンクピリチオン
まとめ
今回は頭皮常在菌に着目したヘアケア製品をご紹介しました。
- KINS シャンプー(全体のバランスを整える)
- ロクシタン ファイブハーブス バランシングシャンプー(全体のバランスを整える)
- マイナチュレ スカルプフローラブースター(全体のバランスを整える)
- ミルボン オージュア グロウシブシリーズ(コリネバクテリウム抑制)
- ミルボン クロナ スパークリングエッセンス(コリネバクテリウム抑制)
- ミルボン オージュア フォルティスシリーズ(エンテエロコッカス抑制)
- オクト(マラセチア抑制)
- コラージュフルフル ネクストシリーズ(マラセチア抑制)
- h&s(マラセチア抑制)
頭皮のことを考えてシャンプーを選びたい方は、常在菌に着目してみるのもひとつの手です。
これから研究が進んでさらに高機能な製品が出てくることも期待される分野なので楽しみですね。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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