こんにちは。長年の頭皮のかゆみを解決するべくアレコレ試している化粧品開発者のかこです。
そう、アレコレ試しているのです。
ですがなかなか改善しないので、医師から見てどうなんだろう?というのも聞いてみたくて、皮膚科に行ってきました。
「病院が好き」という人はおそらくいませんよね。どこの病院に行こう? 先生は話しやすいかな? 自分の言いたいことをちゃんと伝えられるかな…など、考えただけで気が重くなる方もいるのではないでしょうか。
今回はこのような心配事を減らす方法も含めて、皮膚科に行ってみた体験談をまとめました。
これまでのかゆみ遍歴
まず、私のかゆみの状態について書いておきます。(不要な方は読みとばしてください)
いつからかはっきり覚えていませんが、大学生になったころには頭皮のかゆみがありました。
私の中では「頭皮はかゆいのが当たり前」だったので気にしていませんでしたが、大学生のときに通っていた美容院で「頭皮が赤いよ」といわれ、かゆいのが当たり前ではないことにもそこで気づくことになります。
美容師さんのすすめもあり皮膚科に行ったところ、「脂漏性皮膚炎」ということで飲み薬の抗ヒスタミン薬と塗り薬のリンデロン(炎症をおさえる作用のあるステロイド)を処方されました。
飲み薬は効いたのですが、根本的な解決というより対症療法だし、だんだん皮膚科に通うのが面倒になってやめてしまったんですよね。
その後、スーパーのプライベートブランドから自然派ブランドの固形シャンプーまで、低刺激や無添加をうたったものはいろいろと試しましたが、解決には至らず。
比較的かゆみがましな製品と、悪化する製品があるので、成分の比較もしましたが特定の成分がダメというわけでもなさそうです。
Twitter(X)を始めて、同じように頭皮の悩みを抱える人が多いことを知り、自分のかゆみを解決しつつ、他の方の役にも立てないか…と思って始めたのがこのブログです。
皮膚科に行く前に
まず、私が皮膚科に行く前にしたこと、しておけばよかったなと思ったことを書きます。皮膚科以外の病院に行くときにも使えます。
あくまでも患者側として思ったことに基づくので、医療関係者の方からアドバイスがあればコメントやTwitter(X)でご連絡いただけると幸いです。
皮膚科を探す
当たり前ですが、どこの病院に行くか決めないといけません。私はこの2点を選ぶ基準にしました。
- 無理なく通い続けられる場所にある(家の近く、職場の近くなど)
- クチコミがいい
病院を探すのにはgoogle mapを使いました。
アプリを開いて「皮膚科」と入力したらマップ上の場所と評価が表示されるので、自宅からの距離とクチコミを参考にどこに行くかを決めました。
インターネット上で「病院 クチコミ」で検索するとクチコミサイトも出てきます。3つ試しましたが、表示される病院の数・クチコミ数、検索の手間、どれをとってもgoogle mapのほうが優秀だと感じました。
自分のいまの状態をまとめる
いつから、どこが、どういう状態なのか? どんなときによくなったり、悪くなったりするのか? をまとめます。
アレルギーや、ほかの病気で飲んでいる薬もあればわかるようにしておきましょう。
これらのことは病院に行ったら問診票に書かないといけないので、事前に整理しておくとスムーズです。
説明するのが苦手、言いたいことをうまく言えないかも…という方は、紙に書いていくのがおすすめです。質問もあれば書いておきましょう。
お医者さんの腕(診断したり、どの治療法・薬を使うか判断したりする能力)と、コミュニケーションのしやすさは別モノです。
野球が上手い人が、人に野球を教えるのが上手いとは限らないのと似ていますね。
(実際に私の知っている先生で、その分野では権威と言われるような腕前だけれども、こちらがかなり集中して話を聞かないと話の内容がつかめない方もいます)
こちらの説明が上手いかどうか、医師がちゃんと話を聞いてくれるかどうかによらず、最低限言いたいことは伝えられるという意味でも、紙に書いていくのは有効です。
皮膚科に行ってみてわかったこと
google mapで調べた自宅近くで評価が高い皮膚科に行ってきました。評価どおりスタッフさんや先生の感じの良い病院でした。
先生が言われたのは、以下のようなことでした。
- 私の頭皮は少し赤みがあるが、見た目はきれいなほう
- 頭皮のかゆみは考えられる原因がありすぎて対処が難しい
- 頭皮はシャンプーやすすぎで長時間洗われるので、乾燥しやすい部位(手を洗いすぎるとカサカサになるのと同じ)
- さらにドライヤーも頭皮にとってはよくない
- 冬場はシャンプーの回数を減らすのも一案(これは受け入れられない人もいるので、参考程度に)
- 病院ができることとしては保湿と抗炎症
ということで、保湿剤(ヘパリン類似物質)と抗炎症剤(リンデロン:ステロイド)を処方していただきました。
ヘパリン類似物質入りのローションやリンデロンはここ数年で市販されるようになったので、効果がありそうだったら次からドラッグストアで買えばいいか…と思ってしまいますが、
自分の症状に対して医師がどう考えるのか知れたことは有意義でした。
注意:これはあくまで私の症状に対する選択です。「夜も眠れないほどかゆいというわけではない?」「ヘアカラーの後にひどくなることはないですか?」等の質問も受けたので、かゆみの程度やアレルギーの可能性によっては異なる治療法になることが想定されます。
医師のコメントをうけて考えたこと
さて、ここでは先生のコメントの補足と、その後考えたことについて書きます。
まず、「頭皮のかゆみは考えられる原因がありすぎる」というコメント。
この点については私も同じように考えていたのですが、医師から見てもやはりそうなのだな、と確認できました。
シャンプー方法が正しくない、シャンプー・コンディショナーの成分が合わない、といった直接的な原因から
貧血や糖尿病など、一見頭皮とは関係なさそうな病気まで頭皮のかゆみの原因になることがあります。[1]
原因となりえるものは無数にあると言ってもよく、かゆみを抑える薬などで対症療法をしながら根気強く原因を探していくしかなさそうです。
そして、「頭皮はシャンプーやすすぎなどで長時間洗われるので乾燥しやすい」というコメント。
一般に顔を洗うときには「泡立てて短時間で」「皮脂の多いTゾーンから洗う」「洗いすぎは必要な皮脂や保湿成分を奪う」といわれるのに、
シャンプーについては「短時間で洗いましょう」という話は聞いたことがないし、「皮脂をしっかり落とそう」という風潮のほうが強いと感じます。
クレンジング・洗顔で皮脂や保湿成分が失われることで肌の調子が悪い人がいるなら、同じようにシャンプーで皮脂や保湿成分が失われることで頭皮の調子が悪い人がいてもおかしくはないし、
オイル洗顔で皮脂や保湿成分の流出を防ぐことで肌の不調が改善する人がいるということは、頭皮にもオイルを使うことで不調が改善する人も一定数いるのでは?
という仮説が浮かんできました。
処方された薬とあわせて、しばらくシャンプー前のオイルマッサージも試してみます。
オイル洗顔の概要はmimiさんの動画をご覧ください。
まとめ
- 皮膚科探しはgoogle mapが便利
- 皮膚科に行く前に自分の症状を整理しておこう
- 頭皮のかゆみは考えられる原因がありすぎて、医師から見ても対処が難しい
- 頭皮はシャンプーやすすぎで長時間洗われ、ドライヤーの熱も受けるので乾燥しやすい
頭皮のかゆみの原因となりえるものは無数にあると言ってもよく、かゆみを抑える薬などで対症療法をしながら根気強く原因を探していくしかなさそうです。
参考文献
- Ghada A, 他(2011)「The itchy scalp – scratching for an explanation」Experimental Dermatology, 20(12), 959-968
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