【化粧品開発者が解説】読みたい論文がネット上にない!こんなときどうする?

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こんにちは。長年の頭皮のかゆみを解決するべくアレコレ試している化粧品開発者のかこです。

前回の記事で論文検索の方法を解説しましたが、そこで書ききれなかった「読みたい論文や文献がネット上で全文公開されていないとき、どうやって入手するか?」について書いていきます。

インターネット上にない論文を入手する方法

論文を読んでいて、「ここで引用されている文献も読みたいな」と思って探しても、インターネット上では見られないことがあります。

論文は基本的に科学雑誌や学会誌(その最高峰がScienceやNatureですね)に収録されていて、最近だとオンラインで見られるようになっている雑誌が多いですが、すべて無料で見られるわけではありません。

雑誌によってはオンラインで公開しておらず、紙の雑誌そのものを手に入れないと読めないこともあります。

また、引用されているのが専門書、教科書である場合も、インターネット上では公開されていません。

そんなときにどうすればいいか、国内雑誌の例として「Bella Pelle」、海外雑誌の例として「Journal of Cosmetic Dermatology」を例に解説していきます。

正規ルートで入手する

まずは正攻法です。公式サイトから購入する方法を探してみます。

国内文献の「Bella Pelle」はまるごと1冊、もしくは読みたい記事のみPDFで購入できるようになっています。

他の文献でも、公式サイトを見れば何かしら購入方法の案内があります。

海外文献の「Journal of Cosmetic Dermatology」もネット上で購入はできそうですが、英語なのと金額がドルで書かれている時点でハードルが高いですね。

私も実際この画面から購入したことはありません。というのも、後で解説する方法のほうが簡単で費用も安いことが多いからです。

ここでは「公式サイトだとこれくらいの値段なんだな」というのを確認しておき、購入はせずに先に進みます。

国会図書館で複写する

学術的なものに限らず、本って欲しいものを全部定価で買っていたらけっこうな金額になってしまいますよね。

費用を抑えて本を読みたい…そんなときの強い味方は、そう、「図書館」です。図書館の概念を最初に考えた人は天才だと思います。

さて、論文が載っているような科学雑誌は、市町村の図書館よりは大学などの図書館にあることが多いです。その中でも圧倒的な蔵書を誇るのが「国会図書館」

国会図書館というちょっとカタイ響きから、国会議員が行くところ? 一般人が行っていいの?と思うかもしれませんが、18歳以上であれば誰でも利用することができます。

東京近郊にお住まいの方は実際に足を運んでみるのもいいですが、遠方の場合はそうもいきません。そんなときにはコピーを取って送ってくれる「複写サービス」が非常に便利なので、これを利用する前提で説明します。

これまで私がいろいろ探してみた体感では、たいていの文献は国会図書館でカバーされるので、まず読みたいものが国会図書館にあるかどうか確認し、なければ全国の図書館を探してみる流れがスムーズです。

国会図書館にある資料の検索は、「NDL online」で行うことができます。検索方法は文献が日本語でも英語でも同じです。

「Journal of Cosmetic Dermatology」で検索すると、オンライン資料があることがわかります。

アカウントを作ってログインすると、遠隔複写ボタンが表示されるようになります。

申し込む場合は、遠隔複写ボタンをクリックすると複写箇所の入力画面が開くので、情報を入力します。

カートに追加してカートの中身を確認します。同時に30件まで申し込むことができます。その後は通販サイトでの買い物と同じ感覚で画面に沿って進めていけば申し込み完了できます。

複写には費用がかかります。図書館は利益を出すことを目的としていないので、非常に良心的な料金です。これまで何度か利用していますが、論文1報につき500円~1000円くらいです。

申し込み後は数日で発送通知のメールが届き、さらに数日で文献のコピーが手元に届くので、およそ2週間で手元に届くことになります。もし何かの理由で複写できない場合も、申し込み後数日でメールがきます。

費用は後払いです。文献のコピーと一緒に請求書と払込票が入っているので、そこで金額を確認して支払います。オンラインバンキングを利用していればコンビニや郵便局に行かなくても、その場で支払いを済ませられます。

これは2023年9月時点の情報なので、利用される際は国会図書館の遠隔複写サービスの説明料金表もご確認ください。

全国の図書館を利用する

もし、読みたい文献が国会図書館にない場合は全国の大学図書館も探してみましょう。

CiNii(サイニー)で「大学図書館の本をさがす」を選んで、検索してみます。

大阪大学と横浜薬科大学の図書館にあることがわかりました。ただし、大阪大学では2011年の発行分まで、横浜薬科大学では2021年の発行分までとなっているので、それ以降の分は置いていないことに注意が必要です。

近くの図書館であれば足を運んでもいいですし、複写も申し込めるので、各大学図書館のホームページで利用資格や複写方法を確認して利用しましょう。

CiNiiで見つからない場合は、全国7,400以上の図書館を検索できる「カーリル」で探すと見つかるかもしれません。

フリマアプリを利用する

最後に紹介する方法は裏技的な感じになりますが、メルカリ等のフリマアプリを利用する方法です。

あまり確率は高くないのですが、「もしあればラッキー」ぐらいの気持ちで検索して、うまくいけば格安で入手することができます。

私は「Bella Pelle」はメルカリで入手しました。

教科書、専門書を読みたい場合

論文や雑誌ではない教科書、専門書の場合は著作権上の問題で図書館での複写ができないことがあります。

このような場合は、実際に図書館に行って読んでくるか、本を購入するかになりますが、分厚い専門書だと1万円を超えることもあるので、なかなかハードルが高いです。

たまにメルカリで出品されることもあるので、定期的に検索しています。専門書の入手は私の中でもまだ最適解が見つかっていません。

まとめ

  • 公式サイト、図書館、フリマアプリを確認して費用や手続きの手間を比較しよう
  • だいたいの場合は国会図書館で解決できる
  • 教科書、専門書は複写できないことがある

いろいろな方法を紹介しましたが、私の中ではダメもとでメルカリを探す→国会図書館を探す、の流れでなんとかなることが多い印象です。

もし他のよい方法をご存じの方がいたら、コメントやX(twitter)で教えていただけたら嬉しいです。

お読みいただきありがとうございました。

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